RX1RII用グリップ製作記(その1)

RX1RII用グリップ製作記(その1)

店長エンゾーです。

先日、海外でRX1RIIの発表が行われてからしばらく経ちましたが、その後、国内での発表がなくて少しヤキモキしております。いつ発売なのか、そして日本円でいくらになるのか(でもお高いんでしょう?)、気になりますよね・・・(;´Д`)。

ところで、ユリシーズで過去一番販売数が多いボディスーツといえば、実はRX1用になります(そして今なお、コンスタントに出荷されています)。すでに発売から3年が経過しているカメラのためのケースとしては異例のロングセラーと言え、国内だけでなく海外のお客様にもご愛用いただいております。ありがとうございます。

その理由をうかがってみると、ボディスーツに設けられたグリップの存在が大きいとのこと。RX1はガラスがみっちりと詰まった大きなレンズ鏡筒を備えていてトップヘビーですが、その割にグリップが狭く指がかりもないので、ボディスーツを着せるとたいへん持ちやすくなります。そこを評価していただいているようです。

で、ここからが本題。

実は、以前より「ボディスーツとは違うアプローチで、RX1の持ちやすさを向上させたい」と考えていました。いわゆる、外付けグリップってやつです。たとえば、こんなのですね。これはOM-D用。

もちろん、既にRX1用として世間でそのような商品がサードパーティーからたくさん出ていることも知っています。正直に言うと、通販で手に入る範囲のRX1用グリップは、日本製・海外製を問わず片っ端から購入しました。しかし、どれも今ひとつしっくり来なかったのです。

誤解のないように申し添えておくと、少なくとも、どの製品も開発者が最も持ちやすいと思う形にはなっているはずです。それでもエンゾーには持ちにくいということは、つまりそれくらい「誰にでも違和感なくフィットするグリップ」を作ることが難しいということだと思います。何しろ、手の大きさもカメラの構え方も、ひとりひとり微妙に異なりますので・・・。なのに、あえてそこに挑戦したくなりました。

ユリシーズのような小さなファブレスメーカーとって、今までやったことがない金属グリップを作るというのは、技術的にも生産ロット的にも、なかなかハードルが高めのチャレンジです。はたして無事完走できるのか?まったく先が見えませんが、とりあえず行けるところまで行ってみることにしました。ええ、完全に出たとこ勝負です。

さて。
まずは、コンセプトから考えてみました。

1.手のサイズや握り方の癖に左右されにくく、自然なホールド感が得られること。
2.RX1と馴染む、奇抜すぎないデザイン。
3.質感の高いグリップ。
4.握るのが楽しくなり、どんどんスナップしたくなるグリップ!

こんな感じでしょうか。いきなり自分でハードルを上げてしまった感がありますね。

次に、どうやって理想に近い形を割り出すかを考えました。幸いなことに、ユリシーズのスタッフは全員手の大きさが違います。身長150cm未満から180cmオーバーまで揃っていますので、かなり幅広く検証することが可能です。
具体的な叩き台を作るにあたっては、クレイモデルを作成してみることにしました。
虎の子のRX1に直接粘土を盛るわけにはいきませんので(汗)、マスキングテープで覆ってから作業開始です。

次に、グリップ部にペタペタと粘土を盛っていきます。どうせ後で削りますので、最初は景気よく多めに貼り付けます。

で、「ぐにゅっ」とな。はいそこ、「毛深いな」とか言わない。

なんだかよく分からない形になりました。指紋どころか掌紋までくっきり。これが殺人現場に落ちていたら、犯人の特定が楽ちん過ぎてドラマにはならないと思います。

この凸凹を参考にしすぎてこのまま形を整えていくと、一人のユーザーにしかフィットしない「グリップに握らされているグリップ」になってしまいますので、あくまでも叩き台です。はたして、ここからどのようになっていくのか?第二回に続きます!

RX1RII用グリップ製作記(その2)

RX1RII用グリップ製作記(その3)

RX1RII用グリップ製作記(その4)

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