愛車の修理とボディスーツ

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店長エンゾーです。

東京出張から帰ったら、修理(と点検)に出していた車がピカピカになって戻って来ていました。

実は以前、コインパーキングに駐車した際、フロントバンパーを壊してしまいました。精算したあと、ロック板が故障していて規定の位置まで下がりきっていないことに気づかず出庫しようとして、「バキバキバキッ!」という物凄い音がしたと思ったら、フロントバンパーがロック板に引っかかり、真ん中からボッキリ折れていました・・・。

形あるものを壊してしまった時の後味の悪さは、嫌なものです。一応、応急処置をして無理やりくっつけ、約1年ほどだましだまし乗っていたのですが、少し注意して見れば明らかに変形してますし、どうしても破断した部分に目が行ってしまいます。

もともとはデザインに惚れ込んで探し出した中古車で、最初のオーナーが大変丁寧に乗っていたため、ほとんど新車同様で、そういうところも含めて気に入りました。さらに、ノロノロの低速でも運転が楽しいと思ったのは初めてでした。

「もう壊れるまでコイツでいい!」と思っていたのに、まさかその車に乗ることが心から楽しめなくなろうとは…。

どうにか心の平静を取り戻したくて修理の見積をとったのですが、思った以上に費用がかかることが分かり、しばらく躊躇していました。そうこうしているうちに1年点検の時期が来たこともあり、ついに重い腰を上げて修理することに。約1週間の入院を経て、冒頭のシーンに至るわけです。
完璧に元通りに復活した愛車を見た時、失われかけていた愛着が、一気に蘇るのを感じました。

傷は勲章とはよく言われることで、使い込まれた道具は確かに歴史が積み重なって自分だけのものになり、愛着が増すこともあります。
とはいえ。モノについた傷には「注意していても自然とついてしまう傷」と、「十分防げたのに、備えを怠ったので付いてしまった傷」とがあります。今回の愛車の場合、きちんとロック板が下がりきっているかどうかをチラッと目視しさえすれば、大破させることはありませんでした。そう、防げたのに自分のせいで不用意に付けてしまった傷は、ショックが大きいのです。

ユリシーズがボディスーツを作る理由の一つが、まさにそこにあります。愛着のある道具で写真を撮ると、きっと気分の高揚や撮った手応えが違うはずです。

日常を切り取る「目」となって働いてくれるカメラを、賞味期限付きの使い捨ての道具ではなく、大切な相棒として、変わらぬ愛着を持って長く使い続けるために。いつか誰かの手に愛機が引き継がれていく、その日のために。
カメラ本体の身代わりになって傷を引き受け、むしろ使い込まれて風合いを増していくアイテムとして、ボディスーツは作られています。

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