デジタル世紀の銘機 ・ 01 『CONTAX SL300R T*』・

店長のエンゾーです。
先週の水曜日は僕がブログの当番だったのですが、出張先で更新できず、三回目にしてすっ飛ばしてしまいました。
「毎回更新するぞ!」
と猛スピードでジャンプ台を飛び出しながら、絵に描いたような美しい放物線を描いて落下する三日坊主です。
飛型点なら満点でしょう。その上、日曜まで福岡に帰ってこなかったため、オフィスでは

モリ :  「これはつまり、俺たちも更新をサボっていいというフラグ?」 ヒソヒソ・・・

ミヨシ : 「そうに違いないですよね」 ヒソヒソ・・・

などという不埒な囁きが交わされていたとかいないとか。

さてところで。
今日から不定期で、店主エンゾーが独断と偏見で選ぶ、デジタル時代の銘機をご紹介していきたいと思います。なぜ急にこんなことを思いついたかというと、移り変わりの早いデジタルカメラの中には、忘れ去られるには惜しい「良いカメラ」があることを常々感じていたからです。いわば個人的な備忘録ですね。
完全に好みの問題であり、選出の基準は適当です。強いて言えば、性能ではなく「デザインとコンセプトの良さ」を優先するかと思います。

で、栄えあるトップバッターは、今はなきコンタックスのコンパクトカメラ「SL300R T*」です。

銀塩をリアルタイムで使い倒していた世代であればお分かりのように、コンタックスは直線を基調としたシンプルなデザインを旨とするブランドでした。その伝統はこのカメラにも受け継がれ、畳んでいる時には四角い名刺入れのようなスッキリとした形状になっています。

また、表側はポリウレタンではなく天然皮革で覆われ(今では考えられない仕様ですね)、ボディの素材はチタンを採用、レンズはT*コーティングのツァイスレンズをおごるなど、良い意味でバブルの面影を引きずるような、持つ喜びのある贅沢なカメラでした。

言うなれば、これはカメラというより「記録するためのステーショナリー」だったと思います。

このカメラの最大の特徴は、ご覧のとおり、ボディが中程からくるりと回転して、レンズ部とモニター部が別々の角度に出来るところです。俗に言う「スイベル(Swivel)式」というやつですね。ニコンのクールピクスシリーズのハイエンド機など、デジカメ黎明期にはよくあったデザインです。

薄型ボディにズームレンズ群を詰め込む場合、通常は光学系を屈折させなければなりませんが、このスイベル式であれば、そういう無理をしなくていいという点で理にかなっています。実用面でも、右側と左側でボディが90度ねじれているため、薄型であるにもかかわらず左手でしっかりつかめてホールド感が良く、使いやすい形状でした。

また、ローアングルやハイアングル、自撮りのしやすさという点で言えば、いま主流のチルトアップモニターよりも直感的で優れていると思います。

ちなみに、当時ユーザーだったエンゾーの過去のブログには、次のような記述があります。

『発色やシャープネスはなかなか良いが、ディストーションが目立ち、白飛びも盛大だ。(中略)
暗いところでAFがまったく合わないのは、このクラスのカメラだから仕方がないとしても、バッテリーの持ちの悪さはかなり辛い。フラッシュを多用しようものなら、ものの20枚も撮らないうちにバッテリーマークが点滅し始め、ほどなく電源が落ちてしまう。すさまじい大食いカメラである。50球肩のリリーフエースのようなものか。』

確かに、お世辞にもレスポンスのいいカメラではありませんでしたが、それを補って余りあるほどの「ワクワクする」カメラでした。当時の技術水準では性能がコンセプトに追い付いていなかったのが残念な限りで、ぜひ、現代の最先端技術で復活して欲しいデザインですが、スマホとの差別化に追われ、撮像素子の大型化が最優先事項になっている今では、なかなか望むべくもありません。

ともあれ、このような個性的なカメラが次々に登場していた時代は面白かったなあと今でも懐かしく思い出される、2003年のカメラです。『十年一昔』ですね。

 

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