iPhone6s レザーケース開発記(その3)

店長エンゾーです。

しばらくバタバタしてて、すっかりブログの間隔が開いてしまいました(;´Д`)。反省。

前回はiPhoneケースのファーストサンプルが上がってきたところまでお伝えしましたが、その後、より精巧な木型を元に、セカンドサンプルが出来上がりました。ファーストでは、定番であるバダラッシ・カルロ社のイタリアンレザー「プエブロ」を使いましたが、セカンドでは、今までユリシーズでは使ったことがない、ワルピエ社の「マレンマ」へとチェンジしてみました。こちらも、プエブロと同じくトスカーナで作られている、非常に高品質なベジタブルタンニンなめしレザーです。

こんな感じに上がってきました。予想では、もう少し渋い感じになると思っていたのですが、思いのほかテカリが強いような・・・。型で押されたところのオイル分が移動して、色が白っぽくなっています。いわゆる「プルアップ」という現象で、これはこれで味があっていいのですが、なかなか狙った通りの印象になりません。

そもそも、きちんと指がかりの良い深めの凹みにするために、革を何枚も重ねてベースを厚くしたのですが、そうするとレンズ周りの穴が深くなってしまうため、そのままではケラレが発生してしまいます。そこで開口部をかなり大きくしたのですが、これが悪目立ちしてしまい、印象を悪くしているように感じました。

その後、スタッフ間で何度も意見交換した末、ひとつの結論に達します。

「・・・凹んでるのが良くないのかもしれませんね」
「やっぱりそこかなあ・・・」

すっかりこのデザインで行く予定でしたので、ここからの修正はかなりのタイムロスです。とはいえ、一度そう感じてしまったら、もう自分たちに嘘はつけません。デザインを練り直します。

「う~ん、いっそのこと、一番最初の案に戻してみるか」

実は当初、指がかりのための突起は、凹みではなく「出っ張り」にする予定でした。しかし、突起の内部の空洞をどう埋めるのかという問題が解決できず、だったら凹ませるか?と思ってこのようにしたという経緯がありました。
幸い、木型はそのまま流用できますので、革の裏側から当ててプレスしてみることにしました。

おお?思ったより、突起がしっかり出ます。というか・・・むしろちょっと目立ちすぎ?まるでレゴブロックのようです。

同じようにプエブロでも試してみたところ、マレンマのようにはオイルの移動が起こらないことが分かりました。出っ張り方も若干なだらかです。その代わり、プエブロはもともと表面にダメージ加工を施した革なので、木型で押し伸ばされた際に「割れ」が生じている箇所が見られます。

もともとは、快適に指先を入れられるように穴の直径を割り出したので、その木型をそのまま突起の型押しに転用すると、やや突起が大きくなりすぎることが分かりました。突起と突起の間に指が入らず、つかみにくいデザインになってしまいます。そこで、サードサンプルでは突起の形状・大きさ・間隔を見直し、再度木型を作り直すことにしました。

ちなみに、懸案事項だった「出っ張りの穴埋め」は、硬い発泡ウレタンを金太郎飴のように切って穴にはめ込むことで解決。これで、出っ張りデザインでも上手く行きそうです。

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