OM-D E-M5 Mark 2の外観デザインは、見れば見るほど考えられていた。

店長エンゾーです。

先週の金曜日、発売と同時に、オリンパスの「OM-D E-M5 Mark II」を入手しました。CP+のオリンパスブースでデモ機を触った際は、ひとり5分の制限時間がある中、とるものもとりあえず「ボディスーツを作ることは可能かどうか」の確認を最優先したので、笑顔を振りまく美人のコンパニオンさんにレンズを向けることもなく、ひたすら三脚穴の位置やバッテリー室の蓋の形状や開き方など、いつも問題になる底面の形状ばかりしげしけと見ていたところ、係の人から

・・・そんなに底面で気になるところがありますか?( ಠ_ಠ)

と不審がられました(汗)。

いま改めてじっくり見ると、やはり惚れ惚れするほど洗練されています。一言で言えば、新型は旧型と比べて、明らかに質感や高級感が増しました。では、具体的にはどんなところが受ける印象の変化に貢献しているのでしょうか。
細かいスペックや写りに関しては、色々なところでインプレッションが行われていますので、ここでは、あまりスポットが当たらない外観そのものについて、旧型と比較しながら、気がついたことをつらつらと書いてみたいと思います。

【質感向上の源泉はどこなのか】

まず、真正面から見てひと目で分かるのは、EVFが埋め込まれたペンタプリズム風の突起(未だにこの部分の正式な名称は決まってないんですよね・・・)が、台形からより三角形に近づいたこと。そして、アクセサリーポートを廃したことにより、全高が低く抑えられていることです。古くからオリンパスに親しんでいるオールドユーザーの間では、E-M5がMO-4風、E-M5 MarkIIはOM-1風などと言われたりもしています。

また、トップカバー表面の仕上げがつるりとした梨地からザラつきの強いレザートーンになり、貼り革部分も皮革調のシボが施されたことで、いかにも昔ながらのカメラらしい外観に変わりました。

ただ、エンゾーが注目したのは、もう少し細かい部分です。

 1.ペンタ部を除くボディそのものの縦横比が、旧型より横長になった。
 2.トップカバーの高さが増し、反対にボトムカバーと貼り革の高さが減った。
 3.なで肩の傾向が弱まった。

この3つの要素が絡みあうことで、やや腰高で薄味だった先代モデルから、小さいながらもどっしりと重心が下がり、凝縮感や安定感のある外観へ変化させることに成功しています。

ペンタ部(便宜的にこう呼びます)の形状変化も、ただ台形が三角形になっただけではありません。まず、先代モデルのペンタ部側面がゆるやかに湾曲していたのに対し、新型はまっ平らです。このことが、切れ味がよくソリッドな印象を与えるのに一役買っています。さらに、アクセサリーポートを廃したことでファインダー周りのパーツを分割する必要がなくなったため、ペンタ部はアイカップ手前までワンピースで構成されていて、非常にスッキリまとまっています。

【使い勝手も細かく向上】
その一方で、軍艦部を上から見ると、新型は旧型と比して立体感に富んでいます。これは、厚みを増した2つのダイヤルの影響を受けて各ファンクションボタンが押しにくくならないように、意図的に段差を与えられているからであり、先代モデルで非常に評判の悪かった再生ボタンとFn1ボタンの轍を踏まないよう、操作性にかなり気を遣ったことが見て取れます。

シャッターボタンは、グリップの指がかりがやや前方に伸びたことに伴い、軍艦部から前方向にせり出しました。たったこれだけのことですが、ボタンの押しやすさ、グリップの握り心地ともにかなり向上しています。
また、ストラップを取り付けるアイレットの位置も、ボディのコーナーへと移動しました。このことにより、指と三角リングが干渉することが減り、快適性の向上にひと役買っています。

背面から見ると、アクセサリーポートの廃止が、もうひとつ大きな恩恵をもたらしていることに気づきます。それはファインダーの大きさです。新型は、明らかに接眼部が大きいです。
実際、スペックシートを見ると、ファインダー倍率は旧型が0.92倍だったのに対し新型は1.32倍へと大きく向上しており、写真を撮る道具として真面目に進化していることが分かります。

また、これは近年のカメラとして非常に稀なケースですが、旧型より新型のほうが、右手親指で操作する各種ボタン周りの面積が拡大しています。具体的には、幅が7mmも広くなりました。これにより深く握れるようになり、グリップ感や操作感がかなり向上しています。

面白いのは、ボディ全体の横幅の増加は2.7mmに過ぎないということ。しかも、背面の液晶モニターがチルトアップ式からバリアングル式に変更されたことにより、ヒンジが必要になったため、むしろモニターの幅は87mmから89mm(実測)へと広がっています。にもかかわらず親指スペースが7mm拡大したということは、あちこちの設計を見なおして、少しずつスペースを稼いで寄せ集めたということに他なりません(例えば、十字ボタンの右側を広げるために、SDカードスロットの蓋とフィンガーレストの形状を変更し、段差を解消しています)。
このようなきめ細やかな変更には、ただ頭が下がるばかりです。

(外観の話ではないのであえて触れませんでしたが、新型は各種ボタンのクリック感がしっかりあって、旧型で指摘されたボタンのグニュッとした押し心地の悪さを払拭しています)

このように、少し見ただけでもE-M5 Mark IIは細かなところまでよく考えられていて、一つ一つの造形が使い手への配慮に裏打ちされていることが分かります。結果としてクラシカルさが増したとすれば、それはむしろ、ベースとなった銀塩OMのデザインがそれだけ完成度の高いものだったということではないでしょうか。

何しろ、テクノロジーが進歩しても使う人間の手は2本、指は10本で目玉も2つしかないのであり、ここ1万年ほどパーツのレイアウトに変化はありませんので(笑)、脳波で操りでもしない限り、こういった道具の造形も大きくは変わらないのではないかと思っています。

本筋とは関係ありませんが、バリアングルモニターになったことで、上の写真のような「液晶モニターを使わないスタイル」もとれるようになったわけですが、実際にこのような使い方をすること、ありますか?エンゾーは銀塩育ちなので、こういう遊び方、意外と嫌いではないのです・・・(^_^;) (OM-4は大好きで、よく使いました。)

【新型はサードパーティーにも優しい】

ここから先は、ユリシーズ的な使い勝手の話になりますが・・・
ストラップを取り付けるアイレットの形状が、クラシカルな「耳型」から、一般的な「坊主型」へと変化しました。これ、我々のようなストラップ屋にとっては、見過ごせない変化です。なぜなら、アイレットにリングを通す際、耳型のアイレットは金属リングを通しにくいため、無理やり通すと開いてしまいやすく、あまり相性が良くないのです。

さらに旧型は、アイレットにリングを通すための穴がボディすれすれの位置にあったため、リングカバーを装着すると、下の画像のようにカバーの厚みで穴が半分隠れてしまい、非常にリングが通しにくくなっていました。


それに対し、新型のアイレットは、穴の位置がボディ側面から離れているため、リングカバーを差し込んでも、穴がきれいに丸く見えています。これなら、ストラップを好みのものに付け替える際に、難儀せずに済みそうです。


【で、結局ボディスーツは作るの作らないの?】

さて、ここまで細かい部分をあれこれ見てきましたが、エンゾーがこのカメラを買ってきたということは、ボディスーツをつくろうと考えているということです。旧モデルでは、チルトアップモニターをあえて動かなくして使用する「フルカバードタイプ」のボディスーツを用意しました。

これには色々理由があったのですが、一番の理由は、実のところ「この形状が、その時出来る精一杯だったから」というのが本音です。E-M5は、御存知の通りSDカードスロットとバッテリー室が別々になっており、使い勝手のことを考えれば、スーツを着せたまま両方にアクセスできることが望ましかったのですが、当時はまだ無理でした。

しかし既報のように、現在開発中の最新モデル「α7II用ボディスーツ」では、この問題をほぼクリアしつつあります。つまり、α7II用で確立した技術を応用すれば、E-M5 Mark2でも「つけっぱなしでバッテリーもSDカードも交換できるボディスーツ」が出来るはず・・・です。理論上は。

ただし、フルサイズのα7IIとM4/3のE-M5 Mark2では、ボディサイズが大人と子供ほども違いますので、実際にはそう単純な話ではないのですが・・・。

そういうわけで、αのようにオープンタイプとフルカバードタイプの両方を作るのか、せっかくのバリアングルモニターなのでオープンタイプのみにするのかは、今のところまだ何も決まっていません。(ヘタをすると、結局どちらも作れなかった、というオチも現段階ではありえます。)

ともあれ、これほどボディスーツが似合いそうなカメラもなかなかありませんので、ちょっと頑張って考えてみたいと思っています。
 
 

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