隠すかどうか、それが問題だ。

既報の通り、ユリシーズではSONYの新型ミラーレス一眼「α7」および「α7R」用にボディースーツの開発をはじめましたが、いきなりのっけから難題に直面しております。それは、α7の特殊な形状に対し、どのようなボディスーツを作るのが最も理想的か、というものです。

前面はそれほど難しくないのですが、問題は背面。

システム担当M君、デザイン担当Sさん、店長エンゾーとの間で、ああでもないこうでもないと熱い議論が展開されました。

Mくん: 「社長、素朴な質問してもいいですか?」

エンゾー:「なになに、いきなり(^_^;)」

Mくん: 「α7って、EVFとチルトアップモニターがついてるところが、RX1と違うじゃないですか」

エンゾー:「そうだね」

Mくん: 「僕は一眼レフ派なので、ぶっちゃけ、自分だったらEVFばっかり使って、背面の液晶は
      画像の確認や設定の変更以外には使わないと思うんですよ。だから、チルトアップ
      しなくていいんです。それより、できるだけ隅々までケースでガードして欲しいん
      ですけど・・・そういうのはダメなんでしょうか」

エンゾー:「あ~、なるほど。つまり、チルトアップ機構を捨ててでも、フルカバータイプの
      ボディスーツにした方がいいんじゃないか、っていう意味ね」

Sさん: 「えー?でも以前、うちがOM-Dのボディスーツで、チルトアップ機構が使えないような
     デザインにした時には、『せっかくだから、動くようにして欲しかった!』という
     ご意見も少なくなかったですよ?」

Mくん: 「まあそうなんですけど。でも、背面がガバっと開いたデザインって、今までの
     ユリシーズのボディスーツではなかったタイプですよね。ちょっとイメージわかない
     というか・・・」

Sさん: 「α7は、バッテリー室とSDカードのスロットが別々になっている上に、蓋の形状が
     ちょっと特殊なので、ボディスーツの底面に扉を作ってバッテリーを取り出せるように
     することは、今回は残念ながら出来ません」

Mくん: 「そうすると、ますますボディスーツの存在意義が問われるモデルってことですね」

エンゾー:「う~ん、どうしたもんかなあ~・・・」

というわけで、スタッフ一同、かなり真剣に悩んでおります。

フルカバードタイプにして、モニターは固定式にしてしまうか。
それともオープンタイプにして、モニターの自由度を再優先するか。

みなさんなら、どちらがお好みですか?

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Leica M Type 240

前回のわざとらしい終わり方から、引き続いてのネタは「ライカ」です。実はα7と前後して、ライカのType 240も入手しておりました。
目的は2つ。ひとつはもちろん、ボディスーツ製作のため。もう一つは…まだ図面にすらなってないので、公開できません(^_^;)。ただ、「ケースのたぐいではない」とだけ申し上げておきます。最低限の形が出来てきましたら、またこちらで報告していきたいと思います。

わたくしことエンゾーは、もう長いこと銀塩ライカのファンでしたので、M8でデジタルに置き換わり、巻き上げレバーもなくなり驚くほど分厚くなったその姿を見て、「ああ、もうあの美しかったライカの時代は完全に終わったんだな…」と軽い絶望感を味わったものです。

しかし、先入観をとりあえず脇に置いて手にとって見ると、最新の「M」は、巻き上げレバーがなくても採光窓がLEDになっても、やっぱり「ライカ」でした。ただし、スタッフはレンジファインダーにまったく馴染みがないので、怖がって触りたがりませんが…(^_^;)

で、思いつくままに書き起こしてみたフロントのデザインが、この4パターン。

いかがでしょうか、どのタイプがお好みですか?

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それは手元にやってきた。

ユリシーズには、各メーカーから新しいカメラが発表されるたびに、国内や海外のお客様から、

「今度出る○○に、ボディスーツは作らないんですか!?」

というお問い合わせを頂きます。とても有難いことです。

それと同時に、毎度のことながら、そのリクエストはユリシーズにとって最も辛いところでもあります。

それは、「ボディスーツを作ろう!」と思い立つたびに、発売日という最も高価なタイミングで、カメラを調達しなければならないから。大出血を伴う試練が待ち受けているわけです。誰か買って下さい。
カメラ本体は、スーツを設計する時だけでなく、量産が開始されてからも出荷前に全品フィッティングテストを行いますので、そのカメラに合わせて作ったボディスーツが販売終了になるその日まで、手放して現金化したりすることもできません。

どうにかしてこの問題を解決したくて、もう何度、3Dスキャナと3Dプリンターを調達しようかと思ったことか。親切な誰かにボディを貸していただき、モックを自分たちで作ってしまえば、ボディ調達費がかかりませんので、大幅にコスト削減でき、商品価格にも還元できるはずです!

……が、しかし。3Dスキャナーって、唯一「真っ黒なもの」だけは正確にスキャンできないんですね。真っ黒なもの……って、それ、カメラのことですかー!(血涙)

……まあ、気を取り直しまして。そういうわけで(?)ボディスーツ開発のために、買ってまいりました。SONY渾身の力作「α7」です!高価ではありますが、それでもフルサイズ機が、この価格・このサイズで手に入るようになったことを考えると、隔世の感があります。黒いボディにシルバーのレンズの組み合わせが渋いです。

え?違うだろ?
ツァイスの35mmF2.8はどうした?
ズームキットは?

聞こえません。

ぶっちゃけ、キットのズームレンズはデカいので、あれをつけた状態でボディースーツの装着例を撮影すると、スーツがよく見えなくなってしまうのです(^_^;)。かと言って、スマートなゾナー35mmF2.8は申し分ないスタイリングではあるものの、初値で7万円オーバーですので、おいそれと手が出ません。
なので、とりあえずボディだけ買って、手元にあった唯一のEマウントである16mmを付けてみたわけです。α7Rではなく無印のα7を選んだのも、同じ理由なのでした。

ちなみに、α7にAPS-Cサイズ用のEマウントレンズを装着した場合どうなるかというと、自動的にクロップされるだけで、普通に使えます。とはいえ、せっかくのフルサイズですから、E→Mマウントアダプターを介してライカのレンズを付け、作例をUPしてみようかな、とか考えています。

ところで、そのMマウントの本家本元であるライカと比較してみると、サイズ感はこのくらい違います。

α7の方が、横幅・厚み・重量においてライカよりもコンパクトにまとっています。つくづく、SONYは台風の目になってきたなあと思います。

「そんなことより、なんでここにライカM Type240があるのだ?」

え~……

……

……

おっと、もうこんな時間だ!ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ(逃亡)
 
 

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これからが本番!

【クラウドファンディング総括】

お陰様を持ちまして、「チクリッシモ」のプロジェクトは6,500,000円を超える多大なご支援を頂くことが出来ました。
サポーターの皆様のお力添えに、深く感謝致します。

少々調べてみたのですが、現在22サイトある和製クラウドファンディングにおいて、過去に成立したすべてのプロジェクトの中で、「チクリッシモ開発プロジェクト」に集まった資金は、実に日本で4番目の規模であり、モノ作りというジャンルに絞れば、国内最高額であることが判明しました(2013.5.1現在)。
モノ作りをやるメーカーにとって本懐であるとともに、皆様のご期待の高さに、改めて身の引き締まる思いです。

これから秋まで、大変長いお時間を頂きますが、お待ち頂いただけの甲斐がある製品にするべく、鋭意努力して参ります。
進捗状況は、「きびだんご」プロジェクトページの「活動報告」にて随時お知らせして参りますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

それにしても、今回ほど、自分一人では大したことが出来ないと痛感した出来事はありませんでした。

設計や交渉を一手に引き受けてくれたスタッフ。
飛び回っている間、留守を預かってくれたスタッフ。
バッグを作ってくれる場所を紹介して頂いた方。
無理難題に付き合って、無数のプロトタイプを製作してくれた職人さん。
自分事としてクチコミで広めて下さった、大勢の皆さん。
クラウドファンディングという場を提供して頂いたKibidangoの皆さん。
… そういう場に引きあわせて頂いた方。
そして、出資して頂いたすべての皆様。

誰が欠けても、上手く行かなかったのは明白です。
皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

むしろ、ここからが本番。
秋に、良いバッグをお届け致します。

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カメラバッグ開発記(その2)

僕が何年も前からカメラバッグを作りたかった理由はいくつかあります。

1.化学繊維がメインの素材として使われているバッグに、どうしても愛着を持てなかった。
  (使い込んで「味が出る」のか「単にボロくなる」のかは、素材で決まると思っているので)

2.カメラバッグは「カメラとレンズにやさしいバッグ」であって、ユーザーにはそれほど優しくない。
  (やたらと奥行きがあるせいで、身体に寄り添わず、あちこちにぶつけてしまったりして、気を遣う)

3.カメラを入れなくても、日常生活で普段使いしたくなるデザインのバッグがない。
  (良くも悪くも、ひと目でカメラバッグと分かる外観が、洋服とコーディネートしずらい)

4.ワンショルダーで、速写性の高いカメラバッグが欲しい。
  (ほとんどのバッグは機材の保護が優先されており、秒単位で頻繁に出し入れすることは考慮されていない)

5.背負って全力で走れるカメラバッグが欲しい。
  (ただし、バックパック型ではなく、あくまでもショルダー型で)

6.疲れにくいカメラバッグが欲しい。
  (従来型のカメラバッグは、重心位置が身体の重心から離れているため、より重く感じるので疲労が溜まりやすい)

7.レンズ交換の時に両手が使える仕組みが欲しい。
  (路上でレンズ交換するときに、片手が蓋を開けておくことで塞がるのは嫌)

他にも挙げていけばきりがないのですが、日常でも旅先でも、路上でスナップばかり撮っていた僕にとっては、上のような条件を満たしてくれるものが、一番欲しいカメラバッグのカタチだったのでした。

最初に本気で作ろうと思ったのは、2006年1月。末期とはいえ、まだまだフィルムカメラ全盛の時代です。自分の後ろ姿をトレースで書き起こしたイラストにバッグを背負わせ、ざっくりした構想を書き込みました。
それを、雑誌やHPなどで見つけておいたバッグ製作工房に片っ端からFAXで送り、次いで電話で製作可能かどうか確認をとります。

しかし、HPには「カスタマイズ受け付けます」と書いてあるのに、返ってくるのはつれない返事ばかり。今ならその無謀なチャレンジに苦笑いしてしまうような話ですが、当時、ワンオフで希望通りの(しかも形が一般的なものからかけ離れた)バッグを作ってくれるような工房など殆ど無いことを、知る由もありませんでした。

バッグというものは、基本的に、完成形からの「逆算」で設計されます。

「こういう形にするためには、どういう順序で組み立てていけばいいか」
「そのためには、どういうパーツが必要になるか」
こんな感じで、詰将棋のように、一手一手さかのぼっていくわけです。だから、少し形状が複雑になっただけで、とたんに設計が難しくなります。それはまるで、難解なパズルそのものです。

素人が書いたイラストを気軽に渡されても、その完成図になるための手順を考える作業は、すべて職人さんの頭脳に任されるわけですから、たった一個のバッグを作るためだけに時間と労力をかけることがいかに非効率かは、バッグの製作工程を少しでも知れば、すぐに分かります。
ただ、その「工程の複雑さと非効率さ」を簡単に説明するのが難しいので、結果的に職人さんは手っ取り早く労働対価に置き換えて

「それを実際にやるとなると、こちらもこれくらい頂かないと合いませんよ」

と提案することになり、素人である僕は

「ええええっ!?そんなに掛かるんですか?」

と驚いて、立ち止まってしまうことになるのでした。

こうして、いったん「理想のバッグ作り」はお蔵入りになります。(つづく)
 
 

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カメラバッグ開発記(その1)

構想九年、着手から既に一年半が経過している、メッセンジャー型カメラバッグ「チクリッシモ」のプロジェクトが大詰めを迎え、遂に公の場で動き出すことになりました。

資金調達は、生まれたばかりの和製クラウドファンディング「kibidango(きびだんご)」上で行われます。
既にご存じの方も少なくないかとは思いますが、クラウドファンディングとは、平たく言うと

「WEB上で、面白いアイデアを持っている人のプレゼンテーション動画を見て、そのアイデアの実現に力を貸しても良い(製品の場合は、その製品を買いたい、欲しい)と思った人は、投資する(予約注文する)」

というシステムです。海外ではKickstarterindiegogoなどが有名ですが、ユリシーズは、その日本版である、「kibidango(きびだんご)」にプロジェクトをUPすることにした次第です。

なぜ先行している「CAMPFIRE」や「READYFOR?」ではないのかについては、またおいおいお話します。

さて、ここまで聞かれて、アパレル業に就かれている方なら、

「たかだかバッグひとつ作るのに、何でそんなに時間がかかるの?どうして自己資金では賄えないの?」

と不思議に思われるかもしれません。僕も、当初はもっと簡単に考えていました。ストラップや、ボディスーツという高難度のカメラケースが作れるくらいだから、バッグも同様にできるはずだ、と。

しかし、やればやるほど思い知らされたのは、

「常識的な価格で、良い物を作る」

というたったそれだけのことを、今の日本で実現することが、いかに難しいかということでした。

これから少しずつ、そういうお話を公開して行きたいと思います。

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