槙原くんが「クリスマスは~優し~い気持~ちになるための日だね~」と歌っているわりに殺伐とした年末進行のユリシーズからエンゾーがお伝えします。
サムスンが、カメラ事業から事実上の撤退宣言を行いました。カメラ王国・日本の牙城は、ついに崩せなかったようです。カメラジャンルでのブランディング構築で苦戦したことや、絶対的な技術力の不足(特に高感度ノイズが酷かった)などがあったのが原因と思われますが、とは言っても、現状で世界シェアはキヤノン・ニコン・ソニーに次ぐ4位まで上がっていたわけで、そこだけ見れば「急伸」と言っても差し支えない実績を上げています。撤退する一番の理由としては、そもそも急速に縮小しつつあるカメラ市場で、わずかなパイを奪い合っても美味しくないという判断が働いたものと思われます。
それにしても、日本のカメラメーカーのどこよりも早く、APS-Cサイズでミラーレス一眼「NXシリーズ」を作ったのがサムスンでしたので(ソニーのNEX-5より早く、かつ、EVFを搭載していた)、その先見性はなかなかのものでした。特に、NX20はUIがよく考えられており使いやすく、凝縮感のある良いデザインだったので、しばらく愛用していました。あのまま正常進化すればよかったのですが、続くNX30でボディが肥大化し、フラッグシップのNX1はまるでOVFのフルサイズ機なみのボディになってしまったため、これはちょっとどうなんだと思っていました。
ただ、どういう理由であれ、プレイヤーが減るのはカメラファンとして寂しい限りです。某アナリストによれば、将来的に生き残るのはキヤノン・ニコン・ソニーの三社のみであり、カメラ業界は寡占が進むであろうとの見通しだとか。ぜひハズレて欲しいと切に願います。