店長エンゾーです。
スタッフの森くんが、中南米に旅立ってはや一週間。ユリシーズの貴重な男成分が半減し、残されたエンゾーの肩身の狭さは、そろそろ限界に達しようとしています。(でもあと一週間帰ってきませんが)
そんな中、延期に次ぐ延期で発売が遅れていたRX1R2が、ようやくユリシーズにやって来ました。
見た目は初代RX1とほとんど変わりません。この3年間ですっかり手に馴染んだ形なので、新型というより、勝手知ったる相棒のような感覚です。このRX1RIIを持って、とりあえずシャッターを切ってみました。
撮影時のモードは、AWB&ISO自動設定。普通どのカメラでも、ISOをお任せにすると、少しでも被写体が暗くなろうものならガンガン感度を上げてくるので、それを嫌ってエンゾーはできるだけ低感度固定で撮ることにしています。が、今回は新しく刷新されたセンサーと画像処理エンジンの素性を知りたかったので、あえて感度が上がるに任せてみました。
(以下、作例をクリックすると拡大表示されます)
(SONY RX1R2 ISO320 1/100 F2)
すべての作例の感度とシャッタースピードと絞り値を調べてみて分かったのですが、ISOをAUTOにした場合、どうやらシャッタースピードが1/100secになるように感度を調整するようです。言ってみれば、絞り/シャッタースピード両優先のようなものでしょうか。
(SONY RX1R2 ISO6400 1/100 F2)
ISO6400まで感度が上がった作例。さすがに若干ノイジーになりますが、嫌な感じではなく、むしろフィルムを知っている世代には懐かしい「高感度フィルムの粒状感」に近い感じで、個人的には好ましく感じます。
(SONY RX1R2 ISO400 1/100 F2)
外と内で輝度差が大きいカットですが、そつなく撮れています。ダイナミックレンジはなかなか広そうです。
(SONY RX1R2 ISO2500 1/100 F2)
蛇口の中央にピントが来ていて、先端はアウトフォーカスになってしまいました。やはりこの近距離で解放だと、かなりピントが薄いですね。出来る限り開放で撮った場合の情報を収集するという意図はあったものの、ちょっとやり過ぎました。
(SONY RX1R2 ISO4000 1/100 F2)
少し被写体が離れると、開放でも屋外のボケはそこまで極端にはなりません。
(SONY RX1R2 ISO1000 1/100 F2)
質感描写に優れていると感じさせる一枚。等倍で見ると、錠前のヘアライン加工の一本一本まで怖いくらい写っていました。
(SONY RX1R2 ISO1000 1/100 F4)
今回の撮影でやや苦戦したのが、歪みが目立たないように撮ること。実はRX1の頃からその傾向はありましたが、レンズエレメントがそっくりそのまま持ち越されたRX1R2も、やはり樽型の歪みが、撮り方と被写体によってはけっこう目立ちます。このカット以降、歪曲補正をONにしました。
(SONY RX1R2 ISO100 1/100 F2)
わずかに明るさが残った空の青と、ランタンの赤や黄色が、不自然な色の偏りもなく鮮やかに写しだされています。記憶色に近い印象です。
(SONY RX1R2 ISO320 1/100 F2)
やはり、RX1R2は完全に開放から実用になります。画面隅まで破綻がありません。
(SONY RX1R2 ISO200 1/100 F2.8)
AFはRX1世代より確実に速くなったのですが、暗いところでの合焦精度に、若干の弱さが見られました。あと、注意したいのは、恐ろしいほどバッテリーを食うというところ。この日撮った枚数は300カットほどだったのですが、バッテリーは二本目に突入しました。
(SONY RX1R2 ISO400 1/100 F2)
おまけカットその1。中央部分のペンキのひび割れを等倍で切り出したのが下の画像。普通に考えれば十分な描写ですが、手持ちでの撮影であるため、三脚に据えた場合もうワンランク解像感が高くなりそうな気がします。
(SONY RX1R2 ISO800 1/100 F4)
おまけカットその2。屋外へと通じるドアを室内から撮ったものですが、その鍵穴から見えている外の風景を、等倍で切り出したのが下の画像。
ピンホールカメラみたいですね!