なぜ今、長財布?薄いのに大容量の「ピアット」:後編

なぜ今、長財布?薄いのに大容量の「ピアット」:後編

こんにちは、長澤です。前回は、ULYSSESが今、長財布を作った理由をお話ししました。
今回は、ロングウォレット「ピアット」がどのようにして“大容量でも薄く、使いやすい”を形にしたのか、その工夫を紹介します。

ピアットの3つの工夫

①カードを1つのポケットにまとめて無駄な重なりを減らす

一般的な長財布には、ポケットがたくさんついていてカードが収納できるようになっていますよね。1つのポケットに1枚カードを入れるようにできているので、例えば、12個ポケットがあるとしたら入るカードはたったの12枚。しかも、ポケットがいくつも重なるうちに、生地がどんどん厚くなり、財布が膨らんでしまいます。実は、長財布は見た目の割にあまり入らないのです。

そこで、たまにしか使わないカードを数枚まとめて入れるポケットがあれば、革を何枚も重ねずに済むので財布を薄くできると考えました。

その結果できたのがこの形。
上の画像のように、右側に「すぐ取り出せる特等席」が3つ、左側に8枚ずつ収まるポケットが2つ用意されています。
まず、「とても使用頻度が高いカード3枚と、それ以外のカード」とに仕分けし、その上で、よく使うカードを3つの専用ポケットに入れ、残りの「その他大勢(笑)」のカードたちを2つの大部屋にまとめて入ってもらうことにします。
また、ポケットのふたは、革の張りをバネのように使い、カードが滑り出ないようになっています。

カードを入れてないとき、ポケットはこのように薄い状態です。

カードを入れるとマチが立ち上がります。
このように、カードを入れる枚数に応じて、最小限の厚さに抑えることができるんです。

②ボックス型の小銭入れで最小限のスペースに

一般的な小銭入れは、長財布の端から端まで贅沢にスペースをとってあるものがほとんど。一方、折財布によくあるボックス型の小銭入れは、長財布の小銭入れより小さいですが、取り出しにくかったり小銭が溢れたりすることもなく、不便に感じたことはあまりないのではないでしょうか?それじゃあ、長財布でも、きっとこのサイズで十分。そこで、ピアットでは、カードスペースの間にコインボックスを配置することにしました。

…と、言葉で言うのは簡単ですが、現実はそんなに甘くなかったんです。

最小限のスペースに収めるため、カード入れと小銭入れを隙間なく3つ並べようとしたのですが、これには高度な技術が必要だったのです。なぜなら、ミシンで縫うための「縫いしろ」がないから。いくつもの工場に断られ、やっと引き受けてくれた工場で何度も試作を繰り返し、ようやく思い描いたポケットと小銭入れが完成しました。

③全体が見やすく取り出しやすい形

財布に物を出し入れするときには、出し入れしたいもの(お札・小銭・カード等)が何にも妨げられずひと目でよく見えることが理想です。ピアットは、札入れの手前が開いているので、お札の種類や枚数を確認しやすいんです。

コインを出す、カードを選ぶ、お札を出す・・・
これらの用事ごとに財布の向きや使う手を変えるのはめんどくさいですよね。

「左手は添えるだけ」
(どっかの少年漫画で聞いたことあるセリフだな)

財布を持つ向きや使う手を変えず、同じ体勢で全ての動作をこなすことができるようになっています。

でも、最初にこの構造を見たとき、札入れの部分を大きく開いたら、お札が落ちてしまうんじゃないかと心配になりました。

が、やってみたら大丈夫でした。角の三角形の部分(斜線)がお札を挟み込み、落ちないつくりになっているので安心です。

お札の横のポケットはレシートや通帳が入るサイズになっています。わたしは、旅行のときに航空券とパスポートを入れるのに便利だな~と思いました。ライフスタイルに合わせて色々な使い方ができます。

以上、ピアットの3つの工夫でした。

ちなみに、エトルスコのディープブルーは、国内ではもう手に入らない貴重な革で、在庫分しかありません。追加生産できないので、気になる方はお早めにどうぞ!

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