キヤノンの撒き餌レンズ「EF 50mm F1.8II」が「EF 50mm F1.8 STM」にフルリニューアル!

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店長エンゾーです。

デジタル界隈の家電が、早ければ1年周期でモデルチェンジする世の中で、なんと25年ぶりにリニューアルすることになったレンズがあります。キヤノンの廉価版標準レンズ「EF 50mm F1.8 II」です。実売価格が1万円を切る激安レンズであるにもかかわらず、価格に見合わぬ良い写りをすることから、マニアの間では、初心者を単焦点という危ないレンズ沼へ誘う「撒き餌レンズ」などと言われたりもしていますね。


(こちらが従来モデル。価格なりのチープさは否めませんが、よく写るからOK!)

もともとこのレンズ、安いのにはそれなりの理由があります。

1.開放では描写が甘い。
2.諸収差をそれほど厳密には補正していない。
3.逆光耐性が低く、状況によってゴーストやフレアが派手に出る。
4.コントラストがそれほど高くない。
5.AF駆動音がちょっとうるさい。
6.5枚絞りで、被写体によってはボケ味がうるさい。また、いわゆる「ぐるぐるボケ」が出る。
7.周辺減光が大きい。

・・・などなど。ただし、そういった点をむしろ個性として作画に活かしている方も多く、また絞れば別物のようにシャープになることから、コストパフォーマンス的には最高のレンズとされてきました。なにしろ9,000円ですからね(^_^;)。

そんなEF50mmF1.8が、今回「EF 50mm F1.8 STM」へとリニューアルされました。残念なことに、レンズ構成の変更はありませんでした。これはちょっと肩すかし。キヤノンとしては、あくまでも単焦点レンズの入門用として位置づけているので、コストを掛けるつもりはないという判断ではないかと思います。
その上でですが、改良された点は、主に次のようなものです。

◯最新のコーティングに見直し。
◯最短撮影距離を10cm短縮し、35cmに。
◯絞り羽根を、5枚から7枚円形絞りに。
◯STM(ステッピングモーター)採用でフルタイムマニュアルフォーカスが可能に、&静粛性UP。
◯フードがバヨネット式に。
◯マウントがプラから金属に。


(こちらはリニューアル後の新型。モノとしての質感も向上してます。)

おお!なかなか堅実に進化していますね。まだ発売前なので想像の域を出ませんが、逆光耐性やコントラスト、ボケ味などは、かなり向上していそうな感じです。また、最短撮影距離が10cmも短縮されたのは、使い勝手の面で大きな前進だと思います。

このレンズ、フルサイズのイメージサークルをカバーするレンズなので、もちろんフルサイズ機で使ってもいいのですが、APS-Cサイズ機で使うと、換算80mmF1.8となり、かなり魅力的なポートレートレンズに早変わりします。しかも、中望遠クラスでは普通こんなに寄れませんので(EF85mmF1.8で最短85cm)、テーブルフォト用としても重宝しそうです。

問題は、既にKiss X7用のレンズとして、EF-S24mmF2.8とEF40mmF2.8の2本で過不足なくスナップしているエンゾーに、EF50mmF.1.8 STMが必要なのかというところ。強いて言えば、パンケーキレンズの2本が絞り開放から安心して使える優等生であるのに対し、50mmF1.8はじゃじゃ馬ですので、まったく個性が違うレンズとして独特の作画を楽しむのもアリなんですが・・・。

ギブミー、ナイスな言い訳。プリーズ。
 
 

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